10月29日(土)

  海くんが通う黒瀬養護学校の文化祭の日で

 す。海パパは自分の学校の文化祭と重なった

 たため、海ママだけで参観。

  行って見ると、海くんは「たこ焼き」の店番をし

 ていたのですが、その役が気に入らなかった

 のか、ひどいしかめっ面。そこで海くんの撮影

 はあきらめて、もっぱら作品を撮ることに…。

 

  これは何にびっくりしたときの顔かな?海くんの

 トレードマーク「眉毛のピンヒキピン」(下の写真)

 

 がないのは、ちょっと残念。

 

 素朴な楽焼風の焼き物は、我が家ではとても評判です。

海パパなどは酒の肴を盛って、楽しんでいます。

 海くんはその後、海ママとファミレスに行ってアイスクリームを

食べさせてもらうと、表情が急に和んだそうです。

 


10月22日(土)

 「海くんが自分の意思を、外部に向けて発信できるように

してあげたい!」このロマンチックなプロジェクトが、また一

歩前進しそうです。

  この日我が家を訪れたのは、普段ヘルパー

 として海くんを介護してくれている二宮さんと、

 そのご夫君二宮伸治さん(以下二宮先生)。

  二宮先生は近くの広島国際大学保健医療

 学部臨床工学科の助教授です。日ごろから

 奥さんを通じて海くんの様子や、適当なスイ

 ッチがないことを知り、ボランティアで試作品

 を作ってくださったのです。

 

 今までのスイッチの最大の難点は、スイッチを最適な位置(左手の親指)に

固定することが難しいということでした。しかし、この「ちくわ君1号」は左手全

体で握るため、位置がずれることがありません。

 海くんが軟質ゴム管を握ると、空気がフィルム缶に押し出され、その中のセンサー

がそれを感知します。そしてその信号が写真右の本体に送られ、ベージュ色のイヤ

ホンジャックを差し込んだ電気器具(ライト、デッキetc)の電源をON・OFFします。

 

  本体の説明文ラベルのアップです。感度補正

 つまみがあるために、強く握りすぎてセンサー

 がONのままになってしまう、ということが防げま

 す。

 

  お願いして本体の内部を見せてもらいました。

 いかにも「手作り!」といった雰囲気です。


 二宮先生は、「夢や希望を抱いて入学してきた

学生が、障害者や助けを必要としている患者さん

たちと交流できる機会がほとんどなく、毎日講義

や機械ばかりが相手の実習で、やる気を失って

いく現状に心を痛めていました。これをきっかけ

に、学生たちと海くんとの触れ合いが始まれば、

  
明るい展望が開けてきます。」と話しておられまし

た。

 海くんが夢の実現に向けて一歩前進するだけ

でなく、そのことが周りの人の夢をも育んでいく。

素晴らしい出会いが始まりそうな予感で、胸がわ

くわくします。

 


10月17日(月)

  週末に退院した海くんは、日曜日に青山の

 こどもの国ホテルで開かれた「全国訪問教育

 親の会」の学習会に参加。翌日のこの日は、

 紺野会長の娘さんの瑛理さんと一緒に厚生

 労働省との交渉にも参加しました。

 

  

  厚生労働省との交渉の一場面。参加者の

 印象としては、「年々役所側の出席者の質が

 低下している。もう少し責任のある立場の人

 の出席を望みたい」とのこと。

 


10月14日(金)

 この病院の看護レベルは超一流。広島では由美ママにしかできない

「うつ伏せ寝」もご覧のとおり。

 


10月13日(木)

  この週の月曜日からここ、東京小児療育病院

 に入院しています。この日の午前、6年前の富

 士登山でお世話になった青木さんご夫妻が訪ね

 て来てくれました。

   青木さんたちは、久し振りに会った海くんの

 成長ぶりに驚いていました。

 

  午後には、小児歯科の先生に歯石を取って

 もらいました。

 


10月9日(日)

  中央線吉祥寺駅にて。このごろ結構JRを使

 って移動します。

 

  理由は@駅員が障害者への対応に慣れて

 いること(とても親切)A移動のための設備が

 整っていること。左の写真もその1つです。

 

  このような設備が、全ての駅に完備される

 ことを願わずにはおれません。

 

  電車の揺れに、心地よさそうに身を任せる

 海くんです。

 


10月8日(土)

  東京小児療育病院での定期健診のために、

 飛行機で東京に向かいます。以前は障害者

 専用の窓口(プライオリティー)を利用していた

 のですが、一般窓口のほうが手っ取り早く融

 通もきくため、最近は少し早めに来て直接交

 渉します。

 

  海くんは、由美ママと一緒に3席

 を使用します(料金は2人分)。「海

 くん、もうこれ以上身長が伸びない

 でね」

 

  「単調な病院生活の前には、海くんをたっぷり

 楽しませてあげなくては」ということで、やって来

 たのは、羽田空港から程近いしながわ水族館。

 

  優雅に泳ぐ魚たちと、薄暗い証明が海くんの

 大のお気に入り。

 

ヒトデと自由に触れ合えるコーナー。「海くん、どんな感じ?」

 

  この日は吉祥寺駅前のホテルに投宿。11月

 から海くんの連載マンガを描いてくれるもりさち

 さんが、ホテル1階の居酒屋に第1回目の下書

 き原稿を持って訪ねて来てくれました。

 


10月6日(木)

  久しぶりに秋晴れのこの日、養護学校の社会

 見学でやって来たのは、呉の新しい観光スポッ

 ト(?)。

 

  リフトが設置されていて、結構バリアフリーで

 す。

 

  リフトで上がってきたところは…、なんと後ろ

 に大砲らしきものが…。

 

  ここは、戦艦「大和」の1/10模型が売り物の

 大和ミュージアム。私たちは「我が国の歴史と

 平和の大切さ,科学技術のすばらしさを認識

 していただく博物館です」(呉市長) という歌い

 文句と、「大型資料展示室の零式艦上戦闘機

 や人間魚雷”回天”、特殊潜行艇”海龍”など

 は、すべて本物です」というパンフレットに違和

 感を持ち、入館したことはありませんでした。

 

  「海くん、きみはここで何を思い、どう考えた

 のかな?」いつか聞かせてほしいな。

 


10月1日(土)

 難病の子の夢をかなえるボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ」(以下MAWと略)広島支部の

開設を祝うパーティーに招かれました。MAWとは8年前、「東京ディズニーランドへ行ってミッキ

ーに会いたい」という海くんの夢をかなえてもらって以来のお付き合いです。

 初代支部長の篠塚さん(写真右)は、その際お世話になったボランティアさんです。

 

  招待された4組のウィッシュ・ファミリーのトップ

 を切ってスピーチする海ママ。どのお母さんから

 も、夢を持つことの大切さや、夢の実現によって

 生きる力が飛躍的に高まったことなどが、感動

 的に語られました。 

 

  スピーチの後は、ビオラ奏者の沖本さんによる

 ミニコンサートを楽しみました。バイオリンよりも

 低音の、しっとりとした音色に耳を傾けていた海

 くんの目から一筋の涙が(海ママ目撃)……。

 

  MAWの皆さん、参加者の皆さん、素敵な土曜

 の午後をありがとうございました。右端はMAW

 ジャパン事務局長の大野さんです。

 

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