3月31日(月)
最終日も素晴らしい晴天。定宿に隣接しているものの、今まで入ったことがない 新宿御苑に入園すると、満開の桜が出迎えてくれました。 |
出発前の羽田空港ロビーで 刺激的な1週間を回想する海。 胸には無言の訴えを象徴する バッジ(写真下)が…。 |
|
広島空港に向かう機内でくつろぐ海と由美。 東京でお世話になった皆さん、本当にありが とうございました。 |
3月30日(日)
東京に来 たら必ず 寄るとこ ろ。しかし ここにも、 イラク戦争 の余波が |
こんな楽しいひとときは、平和であってこそ
NO WAR! STOP THE WAR!
今回も宮地陽子さん、森田さんご夫妻にお世話になりました。
3月29日(土)
東京へ来た本来の目的を果たす日です。東京 小児療育病院で林田先生(気管の内視鏡検査) ・舟橋先生(全身状態・療育相談)の検診を受け るのです。 |
検診は午前中で終了。午後は東京小児療育 病院に併設されている、みどり愛育園の通園部 で休憩させてもらいました。 |
廊下の壁には、いろんなサークルの楽しそうな活動が、写真入で貼り出されていました。 |
通園生の多くは20歳以上であるため、園外 レクのなかにはこんな内容も…。以前、共同作 業所に通うある若い障害者が、「月一回パチン コが楽しめる賃金がほしい」と訴えていたのを 思い出しました。 |
みどり愛育園では、新たに通園部をあきる野市に作る計画があり、この日の夕方から 資金作りのためのパーティーが開かれることになっていました。 |
この日のもう一つのビッグイベントは佐々木 さんのお宅を訪問することです。夫の公一さん は、全身の筋肉の力を徐々に失うALSを6年 前に発症しました。我が家との家族ぐるみの お付き合いは、そのころ始まりました。 ここは、在宅の場合(公一さんは大の外出好 き)一日のほとんどを過ごす、2階の寝室兼書 斎。 |
公一さんはパソコンを駆使してメールマガジン を発行し、障害者の権利拡大だけでなく、憲法 や平和問題についても、積極的に発言していま す。 パソコンの操作は、左肩から伸びているセン サーを、左頬で押さえて行います。 |
この写真を見て、何かすぐ分かる人はエライ!これは公一さ んが1階と2階の間を移動するためのリフト。今から1階から2 階に向かおうとする瞬間、上方を向いて撮影。写真右上のこげ 茶色の部分は、2階廊下への扉です。箱であるエレベーターと 違い、天井と扉部分がありません。それ以外の違いは下の表 を見てください。 |
||||||||||||
|
これは、我々にもおなじみの昇降機。我が家 では手製のスロープをその都度使いますが、 公一さんの車椅子は呼吸器を含めると100kg 以上になるため、これが必要になります。 |
公一さんは、この日海くんが来るというので、 地域の障害を持った仲間の皆さんに声を掛け 歓迎会を開いて下さいました。 |
私(敬治)と公一さんの共通の趣味は「お酒」。 広島から持参した「万葉」を前に、思わず顔が ほころびます。コップで受けているのは、妻の 節子さん。元市議で、現在は公一さんの介護の 傍ら、様々な障害者運動にかかわっておられま す。 |
透明な、アクリル製文字盤を使って会話する 公一さん。わずかな目の動きで意中の文字を 察知するには、かなりの熟練が必要です。 |
佐々木さんのお宅では、いろんな方から愛情のこもった言葉をいただきました。 しかし、私たちが何より励まされたのは、公一さんの「毎日を楽しみながら、勉強 しながら、そして成長しながら生き抜く」姿勢でした。本当にありがとうございました。 |
佐々木公一さんのメールマガジン「週刊/ALS患者のひとりごと」
の申し込みなどは、下記のメールアドレスまでどうぞ。
3月28日(金)
昨年秋、建て替えられ、完全バリアフリーとなった「ちひろ美術館」(練馬区下石神井)を訪れました。 海が気管切開の手術をした6年前、夫婦2人だけで来たことがありますが、通路が狭く至る所に階段 があるため「海は連れて来れないね」と話したものでした。しかし面目一新、海のようなロングサイズの バギーもスイスイ。心安らぐひとときを過ごしました。 |
夜は立川の駅ビルで旧知の皆さん(写真左 から少年少女新聞社の松浦さん、新日本出版 社の川上さん、丹治さん)と待ち合わせ。食事 を共にしながら、遊びの話に花が咲きました。 |
3月27日(木)
絵本「ぼくは海くんちのテーブル」の絵を担当し た福田岩緒さんのお宅にお邪魔しました。一昨 年12月、福田さんが我が家に来られたとき、「ぼ くが住んでるのは、東京のスイスのような所だよ」 という言葉が、心に残っていたからです。ご自慢 の、木の香りにあふれたアトリエも拝見しました。 福田さんは、この翌日から少人数のグループ で、イタリアに出かけられるとのこと。羨ましい! |
この日の宿は、国立にある多摩障害者スポーツ センター(通称「多摩スポ」)。海の気管切開の手 術の際利用して以来、我々の定宿です。 |
部屋は、初めて利用する和洋折衷形式(いつもは純洋室)。これだけの広さの部屋を 我々3人だけで利用するのです。料金は、障害者本人と介助者1名が1500円、それ 以外が2000円(つまり1泊たった5000円也)。 |
泊まったときには必ず利用する家族風呂。 利用料金はタダ!一言苦言を呈するとすれ ば、「リフトがほしい」。これってゼイタク? |
多摩スポに泊まったときの最大の楽しみは この食堂「ユニメイト」での食事。スポーツ で汗を流した、車椅子や白い杖片手の障害者 が、ビールジョッキを傾けおしゃべりを楽しむ。 ここ以外ではちょっと見られない、素敵な光景。 |
この安さ、メニューの多さ、そしておいしさ、まさに言うことなし!定食はすべて、おかず単品の注文もOK。 |
オーダーストップの8時ころには、他のお客 さんは帰ってしまい、我々の貸切状態に。でも 売上増に協力してるんだから、許してネ。 |
食後は、夜遊び好きの海を連れてお散歩。 この駅前通の両側には、一橋大学やいい雰 囲気のお店が並んでいます。 |
3月26日(水)
海くんは、年一回東京で気管や全身状態につ いての検診(療育相談を含む)を受けています。 今年はその検診を含め、様々な目的で月末ま で東京に滞在しました。 いつも旅立ちは、大きな期待とわずかな不安 が交錯します。行きは、新幹線の「のぞみ」で。 出発直前の広島駅プラットフォーム。 |
「のぞみ」のメリットは、この多目的室が使える こと。追加料金なしで、障害者や妊婦、急病人 などが利用できます。ソファーを倒すとベッドに なり、とても快適。難点は少々狭いこと。 |
東京に着いた私たちを出迎えてくれたのは、 若者達の平和活動グループ「ピーソウルズ」の 上野太一さんと山下千佳さん。出発の数日前、 上野さんが全国の仲間に、アメリカ大使館前で の抗議行動を呼び掛けていることを知り、私た ちも「戦争反対!」の意思表示をすることにした のです。 |
これが、首相官邸と目と鼻の先にあるアメリカ 大使館。日本の中央官庁のビルと見まがうばか りの巨大さ。威圧的に翻る星条旗と100人近く の機動隊。余りに異様な雰囲気に圧倒され、し ばらくはプラカードを持ってたたずむだけで、シ ュプレヒコールを上げることもできませんでした。 |
この日は初夏を思わせるような暑さ。折から西 日が照りつけ、海も疲れ気味。西原ファミリーの 抗議行動危うし! |
大使館に近づこうとする人たちに、用件の内容 や身分証明書の提示を求めている機動隊員(写 真左端)。この日抗議行動を行っていたのは、外 国人を中心とする写真右端のグループと、私たち と同様、ほとんど無言でプラカードを掲げる女性 グループ。 |
「平和に寄せる思いを、形にして残したい」そう考える参加者のために、 歩道に広げられた幅1m、長さ10mの布。私たちも、思い思いのメッセ ージをその上に残しました。 |
「抗議行動を無言のままに終わらせてはなら ない」そんな思いが高まり、終了直前上野さん のリードで、腹の底から”No War””Stop the War””イラクの子どもを殺すな”と叫ぶことが できました。この声は、たとえ大使館の中には 聞こえなくても、道行く人々や機動隊の中にも いるであろう平和を愛する人たちの心には、し っかりと届いたことでしょう。 |
3月15日(火)
やって来たのは、松山市道後にある愛媛県立 身体障害者更生施設「友輪荘」。4年前の脳梗 塞以来、週1・2回のデイサービスの他は外出し たがらない(敬治の)母を、自宅から車で20分 の道後温泉に入れ、一緒に食事をするという計 画がついに実現するのです。この日は下見を兼 ねて前泊します。 |
友輪荘には障害者が使いやすい、リフトや手すり が付いたお風呂があり、昼食が取れるレストランも あるということで、ここに決めたのです。しかし、土 曜というのに泊り客は9組。正面入り口から続く廊 |
下には人影ひとつありません。レストランも長机が 整然と置かれた、寮の食堂のよう。「もうちょっとゴ ージャスな雰囲気がほしいなぁ」ということに……。 |
友輪荘から歩いて10分、道後温泉本館のすぐ 近くに、我々が以前何度か利用した「大和屋本 店」があります。「明日の目的地をそこに変えて は」ということになり、早速お風呂場などの下見 に。帰りには、道後温泉本館となりの麦酒館で チョット一杯。
|
当日は父(写真左)も一緒。母(写真右)は由美と、我々と同行した理乃の2人で介助。久しぶりの温泉を 堪能してもらいました。 |
|
電動リフトとベッドが我家にやって来ました。 もちろん借り物(レンタル)。早速、使い勝手を 試してみました。 |
まずリフトから。リフトの一番のポイントはスリ ングシート。特に海の場合は、首が据わってな いため、ハイバック(背中の部分が長いもの)で ないと使えません。 |
海の背中の下にスリングシートをセットできれ ば、あとは簡単。ボタンを押すだけ。バギーの 上に降ろします。 |
最後に、スリングシートを引き抜きます。 一方、電動ベッドの利点は、@膝の部分が上 がることで、背骨の負担が減り、体がずり落ち ることがなくなる。Aベッドの高さそのものが低 くなり、就寝時由美から海の様子がよく見える。 特にAは、今までの手作りベッドでは、とう てい実現できません。 |
こういった機器は、使ってみて初めて「使い物になるか否か」が分かります。私たちも 今まで、多くの「無用の長物」を抱え込んできました。そこで今回は業者と交渉し、一定 期間使った後、本契約することにしたのです。 |
3月3日(月)
日曜は徳島泊。そして翌月曜は、何年か越し の宿願だった「讃岐うどんの名店巡り」を敢行。 そぼ降る雨をものともせず、まずやって来たの は「がもう(蒲生)うどん」。店の狭さ(約8畳)と、 県外ナンバーの車が並ぶ駐車場の広さにビッ クリ! |
11時前だというのに、店内は満席。丼片手に、店の外で立ち食いする敬治(写真左)と由美(同右)。 出しは上品な味、麺はしこしこ(太さは中くらい)。寒さを忘れるほどの、噂に違わぬ絶品でした。 |
|
食いしん坊の面目躍如。海はカッパを着て 車から降り、出しを飲ませてもらいます。結 局、うどん6玉と出しを買って帰ったのですが 釜につきっきりで、忙しくうどんをゆでていた 店主は、親切にノウハウを伝授してくれたそ うです。
|
2店目は、これも”店の場所のわかりにくさ”では「がもう」と双璧をなす「中村うどん」。写真左は店の正面。 暖簾が掛かっているのが入り口。左の建物は混雑時、店で食べられない客のためのもので、中はテーブル と椅子のみ。写真右は店の裏手で、以前はねぎ畑だった。一人で店を切り盛りする店主が手を離せないと き、客がここからねぎを引き抜き、自分で刻んで入れたという”超セルフ伝説”発祥の地。 |
|
ちょうど昼時で、ごった返す店内。客はテー ブル上のねぎを自分で刻み、好みで大根や 生姜をすって入れる。また、うどんだけでは物 足りない向きは、野菜の掻き揚げや蛸天をの せます。 |
店内の雑踏を避け、車の中で蛸天うどんを ほおばる由美。海にも分けてあげようとミキサ ーしようとしたのですが、故障で果たせず。 海くんごめんね。今度天気がいいときにまた 来ようね。 |
「がもう」のホームページは⇒ http://www.geocities.co.jp/Foodpia/9570/
「中村」のホームページは⇒ http://www.nona.dti.ne.jp/~yosidahp/nakamura/index.html
3月2日(日)
「新日本婦人の会徳島県本部創立40周年 記念講演会」に招かれ、徳島市を訪れました。 車にリフトをつけ、バギーに乗ったままでの初 めての遠出だったため不安でした。しかし、海 は快調そのもの。会場の中央公民館ホールの 入り口には、歓迎の飾り付けが。 |
ホールは60人あまりの参加者でいっぱい。講演後には、会場から感想や質問が相次ぎました。 | |
「海くん、遠くから来てくれてありがとう」と、花束や寄せ書き、会員さんが作られた素敵なバッグ 鳴門名産のわかめなど、心のこもったプレゼントを頂きました。 |
|
とても多くの方々が、お一人で何冊もの本を 買って下さいました。重ね重ね、本当にありが とうございました。 |
3月1日(土)
わかば療育園の通園部が新たに「きらら」と命名され、施設・設備やスタッフがより充実した、A型通園施設 を目指してスタートを切りました。この日はそのお披露目のパーティー。通園やレスパイト(一時預かり)でお 世話になっている海も、張り切って参加しました。 |
||
お母さんたちがお餅を丸めるのを、待ち遠し そうに眺める海。 |
近日中に、我家に室内リフトがやって来るのですが(もちろんレンタル)、それと同じ物が あったため、試しに使わせてもらいました。シートが後頭部までカバーするため、とても楽 そうです。 |
|