新年度から念願の通学籍に

 「中学生になったら毎日学校にいけるよう、現在の訪問籍から通学籍

に変えてやりたい」それが私たち両親の切なる願いでした。そのために

6年間慣れ親しんだ呉養護学校から、車で10分の黒瀬養護学校に転校

したのです。ところが、転校手続きがすべて完了した2月ぎりぎりになって

県教委から「訪問籍が望ましい」という信じられない通知が……。

 そのため昨年度1年間、海を通学籍にするために、私たち(特に由美)

はあらゆる努力をしました。「海にとって学校という存在が如何に大切か」

「海自身には、毎日通学できないような理由はない」「憲法で保障された

学習権を尊重して欲しい」といった主張を、校長・県教委など行政機関に

訴えました。訪問教育親の会の中央行動では、文科省の係官からは「充

分通学籍に耐えるように見受けられる。県教委にも自分の意見を伝える」

との発言も引き出しました。海に理解を寄せてくれた、県議や国会議員の

方々の力もお借りしました。

 そんな努力が実り、今年度から通学籍に転籍することができたのです。

しかし、これで問題が全て解決したのではありません。吸引や食事のため

のチューブ挿入などが「医療的ケア」とされるため、原則として由美が付き

添わねばならず、彼女の負担が増えかねないのです。でも、多くの方々の

支援のもとに運動を重ねることによって、これらの障害(バリア)も一つ一

つ取り除かれることを確信しています。

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