3月5日(火)

  4泊5日の沖縄旅行(3/10〜3/14)が近づくなか、

 準備も着々と進んでいます。着替え、おむつ…。それ

 以上に大変だったのが、利用する航空会社との折衝。

  それらすべてを担当した海ママは、出発前にお疲れ

 気味に。

 


3月10日(日)

 沖縄旅行初日、自宅から車で30分の広島空港に到着。予約駐車エリアに

車を停め、連絡通路を通って出発階へ。

 

  7年前の沖縄行きと同じように、海くんが楽に座れる

 よう、シートが大きいプレミアムクラスでチェックイン。

 

 保安検査ゲートを通るとき、いつも金属探知機のブザーが鳴ります。

だって乗っているバギーが金属製なんだもの。それでも係のスタッフに

よる入念なボディーチェックを受けます。

 

  プレミアムクラスのお楽しみの1つが、このラウンジを

 利用できること。

 

  さっそくフリードリンクのビールで喉をうるおす海マ

 マ。海くんのサングラスは、天井からの照明を和らげる

 ため。

 

  いよいよ乗り込みます。機材の都合でこの機は国際

 線仕様なんだそうです。

 

 機の出入り口までは自分のバギーで、そこからシート横までは専用のバギー(後ほど

写真で紹介します)に乗り換えます。事前の心配はどこへやら、ゆったりくつろぐ海くん。

CAの皆さんも忙しい中、記念撮影に応じてくださいました。

 

 プレミアムクラスのお楽しみの2つめは、素敵な機内食。

ミキサーは機内持ち込みができないので、味噌こしで裏ご

しして、海くんに食べてもらいます。

 

  「かいくん、沖縄が見えてきたよ。もうすぐだから

 ね。」

 

  降機するとき、やっと専用バギーが撮影できました。

 幅は海くんにぴったり。肥満体の大人なら、はみ出す

 ほどスリムです。

 

 到着ゲートから出て、今から本島中部の本部半島先端にあるホテル・マハイナ

へ向かいます。介護タクシーの運転さん(本名です)とも7年ぶりの再会です。

 

  車で走ること1時間半、やっと本部半島が見えて来ま

 した。

 

  これが、これから3日間お世話になるホテル

 マハイナ。これで3度目の利用になります。

 

 6階にある居室はツインベッドに、4畳半の畳の間があるゆったりした

部屋。ベランダからは果てしなく広がる東シナ海が展望できます。

 

  夕食はビュッフェスタイル。「さあ、明日からどんな

 観光をしようかな。」

 


3月11日(月)

  沖縄2日目の朝7時過ぎ、海くんは排痰のため、数分

 前からうつ伏せ寝をしています(旅行先でも変わらぬルーティ

 ン)。ベッドが介護用と違い低いため、海ママは大変です。

 

  今日も快晴。朝日に照らされた海のきれいさは、写真

 以上です。

 

 ビュッフェスタイルの朝食会場。海ママが手にしているのは

沖縄独特の混ぜご飯”ジューシー”。

 

 今回、海くんの食事のミキサー処理をスタッフにお願いしたところ

快く引き受けてくれました。これで海ママは大助かりです。

 

  食事終了後には洗浄だけでなく、アルコール消毒した

 うえ完璧にラッピング。ここまでしてくれた所は初めて

 です。

 

 至れり尽くせりのサービスに海くんも大満足。すかさずその表情を

写真に収める海ママでした。

 

  食後には、入念に手入れされた中庭を日光浴を兼ね

 て散歩。

 

  休憩後は本部観光へ。やって来たのは、海洋博公園

 のゲートの内、ホテルから最も近い南ゲート。目の前

 の道路は交通量が半端ないうえ横断歩道がないので、

 左右確認して走って渡りました。

 

 海洋博公園は南北に長く、歩いて移動するのは大変。そこで

お世話になったのが、海ママが事前に調査・予約していたリフ

ト付きの園内パトロールカー。これ以後何回も利用し、本当に

助かりました。

 

  パトロールカーで北端の北ゲートまで移動し、そこ

 から歩いてやって来たのは、備瀬の”フクギ並木”。こ

 こは7年前以来2度目ですが、今回はレンタサイクル

 や電動キックボードが新登場。のんびりした雰囲気が

 損なわれ、ちょっと残念でした。

 

  備瀬で最も著名な観光スポットがこの”夫婦福木”。

 2本のフクギが根本近くで合体しています。これも一

 種の連理木なのでしょうか。

 

 備瀬の見どころはフクギ並木だけではありません。こんな

旧跡もありました。

 

 歩き疲れて休憩したのは、以前も来た”ハワイアンカフェ”(旧店名はチャハヤブラン)

伊江島タッチューが遠望できる絶景スポットで、多くの観光客で賑わっていました。

 

 本部観光でどうしても外せないのが”美ら海水族館”。しかし今回は大水槽の

ジンベイザメが1頭に減っていて、しかもその”ジン太”が水面近くを泳ぎ、お

腹だけしか見せてくれなかったのが残念でした。

 

 この日の夕食は、ホテル近くの海鮮居酒屋”海邦丸”。実は前日も

来たのですが、超満員で入店できませんでした。

 

  瀬戸内とは全く違う魚種の刺身、そして沖縄特産

 のモズクと海ブドウ。海くんも海ブドウのプチプチ

 した食感を、ほんのちょっと味わいました。

 


3月12日(火)

  日課になった、朝食後の中庭散歩。黄色い花で

 MAHAINA(ホテル名)と書いてあるのが分かり

 ますか?

 

 中庭を散歩している時から「今日は風が強いな」と感じていたのですが、6階の

部屋に帰りベランダから見ると、この有様。沖合は一面の白波です。シーカヤック

界では、これを”ウサギが跳んでる”と言います。海べりはすごい風でしょう。

 昨日、備瀬や海洋博公園に行っておいてよかった。この日は休息を兼ねてまった

りと過ごすことにしました。

 

  海くんにもベランダに出て、海の状態を見せて

あげます。

 

 先週の金曜に訪問入浴で髪を洗ってもらって以来、洗髪していない

海くん。脂性の頭髪はベットリ状態に。そこで、持参した空気注入式の

器具を使って、入念に髪を洗ってあげます。「ああ、これでさっぱりし

た!」海くんの声が聞こえるようです。

 

  午後からは、ホテル近くのスターバックスへ。見

 えているのは2階建てのスタバの2階部分。今から

 ここへ向かいます。

 

  抹茶とコーヒーのラテをオーダーして、みんなで

 楽しみます。

 

 店内のイーゼルに立てかけたブラックボードには、こんな

メッセージが…。しかし、目を皿のようにして1時間近く粘

ったのですが、残念ながらクジラは見られませんでした。

 


3月13日(水)

  3泊4日したホテル・マハイナをたち、最終目的地の

 那覇に向かう朝、スタッフの方に記念写真をとってもら

 いました。1時間後、沖縄到着時にお世話になった運

 転さんのリフトタクシーで出発。

 

  直接那覇に向かったのでは早く着きすぎるため

 途中”万座毛”に立ち寄りました。3人で訪れるの

 は7年ぶり2度目ですが、様子が違っていたのに

 ビックリ。実は ’20年に恩納村が万座毛周辺活

 性化施設として立派な2階建ての、ショップやフ

 ードコートその他の入った建物を建設し、遊歩道

 見学に観覧料100円を徴収するようになってい

 たのです(海くんと介助者の海ママは無料)

  以前の、自然むき出しの素朴なたたずまいが

 懐かしい。

 

  これがその昔琉球王、尚敬が「人がするに足る

 (野原)」とたたえた名所です(ワンショットでは収まり切

 れません)

 

 万座毛というとよくこの岬の写真が紹介されているので、海ママはここが

万座毛だと信じていたそうですが…。昨日の強風の余波が残り、珍しく海

は大荒れでした。

 

  万座毛からしばらく走ると、行けども行けども尽きない

 鉄条網が…。ここは極東最大の米空軍基地、嘉手納飛

 行場(広さは羽田空港の2倍!)。学校・野球場・ゴルフ場ま

 で備えた米軍居住地区と、南に広がる人家密集地帯の

 余りの格差に愕然(下の航空写真を見よ!)

 

  午後2時過ぎに県庁前のホテルにチェックイン。部屋

 で休憩した後やって来たのは、国際通り。ここも観光客

 (特に20代の若者)であふれていました。

 

  この日の最大のお目当ては、ちょうど1年前に

 リニューアルオープンした”牧志市場”。ここでち

 ょっと早めの夕食です。

 

 1階には色々な食品を扱う店が軒を連ねています。店頭には

亜熱帯らしい色鮮やかな魚や、豚の足や顔の皮など、ちょっと

手を出しづらい品々が並んでいます。

 

 新築後「一番変わった!」と感激したのがトイレ。

広々としていて、ピッカピカです。

 

 2階の食堂街で、西原家行きつけのお店がここ”道頓堀”。

顔なじみの”看板オバー”が笑顔でお出迎え。「海くん、よく来

たね」

 

  牧志市場には独特の”鮮魚持ち上げシステム”が

 あります。オバーと一緒に1階に下り、提携している

 鮮魚店でお目当てのものを選ぶと、それを2階の食

 堂で食べられるのです。選んだのは特大のエビとイ

 ラブチャー、そして写真には写っていませんが夜光

 貝(超大型のサザエ)

 

 イラブチャーはおおきかったので半身は刺身、もう半身は

バター焼きでいただきました。

 

 もちろん海くんも、ミキサーに掛けてもらって堪能しました。

 

  オリオンビールをシェアして味わう海くんと海ママ。

 

  「また来てね、それまで元気でね」 「ごちそうさま、

 また来ますね」

 

  陽もとっぷり暮れ、ネオンきらめく国際通りを帰途

 に就く海くん。目がキラキラ輝いています。

 


3月14日(木)

  沖縄旅行最終日。沖縄伝統の焼き物”やちむん”

 を求めに、壺屋やちむん通りにやって来ました。

 写真はその入り口にある、陶器と喫茶の店”南窯”。

 ここを道なりに左に曲がると、やちむん通りです。

 

  ここが、やちむん通りに来れば必ず立ち寄り、

 買い物をする”陶彩”。ところが残念ながらこの日

 はお休み。今回は他の店で器を買い求めました。

  ちなみに、私たちは海くんがバギーで入れる店

 でしか買い物をしないのですが、やちむん通りの

 大半の店の入り口には階段があり、それがバリア

 ーになって入店できません。

 

  やちむん買い物の後は、牧志市場周辺の商店街を

 ぶらつきます。すると、沖縄煎餅屋さんの奥で三線

 の弾き語りをしている女性を発見。三線が趣味の海

 ママは、海くんと一緒にしばし聞き入っていました。

 

  メインストリートから一歩入った横丁にも興味深いお店が…。

 下は沖縄ならではの餅屋さん。左は”せんべろ”(千円でべろべろに酔える)

 有名な居酒屋。お客はジモピーと観光客が半々で、煙草の煙がすごい!

 

  さあ、いよいよ帰路に。ホテル最寄りの駅から

 ゆいレールに乗って、那覇空港に向かいます。

 

  那覇空港にはこのような専用スペースがあります。

広島空港にもぜひ設置してほしい。

 

  「飛行機を見ながら、ゆったりと沖縄最後の食事を

 楽しみたい」という海ママの願いでロイヤルホストへ。

 

  訪問l教育親の会で一緒に活動した城間さん。娘の

 碧(みどり)さんと一緒に食事をする予定でしたが、適

 当な場所がなく今回は断念。お母さんの米子さんが

 帰りの飛行機に間に合うよう、那覇空港まで来て下

 さいました。たくさんの沖縄のお土産もいただき、短

 時間でしたがお互いの近況を話すことができて、と

 てもうれしかったです。また会える日を楽しみに。

 

広島出発時と同じ、機内まで入れる専用のバギーに乗って……

 

 機内へと向かいます。今回は往復とも機材が海外用という

こともあって、シートのリクライニングが許可され、シート

ベルトも着用せずにすみました。海くん、とても楽そうです。

 

  自席から海ママが撮った写真。下か

 ら佐木島、小佐木島、三原市須波の筆

 影山です。今から左に旋回し、数分後

 に広島空港に着陸します。

 

  広島空港に到着。「海くん、今回の沖縄旅行はどう

 だった?」

 


3月16日(土)

  今日は久々のともある。土曜日に来る中学生のさわ

 ちゃん、高校生のしおんちゃん。「ランチしながら、

 海くん今度3人でデートしようや!!」だって。う、

 うれしい。

 

  サラちゃんとあるくん連れて、みんなで散策タイム。

 天気も良くて気持ちいいぜ。

 

  散歩から帰ったら、アートを楽しむ。長く伸ばした

 絵筆を使って、「海くん今日は何色のイメージ?」。

 ブルーを中心にした絵の具を使い、大きいイエロー

 キャンパスに先生と一緒に描いていく。なかなかい

 い感じに仕上がった。

 


3月27日(水)

  25日に、ショートステイから1週間ぶりに帰って来た

 海くんをどこかに連れて行ってあげようと思っていたの

 ですが、この日とてもいい天気だったので、野呂山の

 かぶと岩展望台にやって来ました。春霞で四国はうっ

 すらとしか見えませんでしたが、それでも瀬戸内の多

 島美を堪能できました。

 


3月29日(金)

  茨城県在住の松浦さんご夫妻が、お孫さんの平和

 学習をかねて来広し、その際久しぶりに我が家を訪

 問して下さいました。松浦さんとは、長女の理乃(左か

 ら2人目)が少年少女新聞(当時、松浦さんが編集長) に、

 海くんの記事を連載してもらったことがご縁ですから、

 30年近くのお付き合いになります。

 


3月30日(土)

  ともあるの仲間と、桜の花を見に近くの公園に行きま

 した。ワイワイガヤガヤ。仲間とみる桜の花は、またい

 い感じ。来年も桜が見れますように!

 

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