6月27日(木)

 

  「となりの工房」(笠岡市)の沖さんが

 養護学校に、車椅子のフィッティングの

 ために来てくれました。

  「西原家は、電気釜と車椅子に相性

 が悪い」というのが我が家の定説にな

 っています。去年の5月頃、それまで

 依頼していた工房から沖さんの工房に

 乗り換えたのも、車椅子そのものに対

 する不満もさることながら、細部にわた

 るまで我々の要望に沿った車椅子作り

 に徹する、彼女の姿勢に好感を持った

 からでした。

  今度の車椅子は、市販のフレームを

 海の体にあわせて改造します。そうす

 ることで、安く丈夫な、そしてなにより早

 く車椅子が出来上がるのです(今まで

 は採寸から完成まで半年近くかかり、

 完成したときには体のほうが成長・変

 形していて車椅子に合わない)。

 


 

                                6月25日(火)

   今日は梅雨空の下、中学部の社会見学

  で広島空港にやって来ました。目的は、送

  迎デッキで離発着する飛行機を間近で見

  ること。海くんは、3月末にここからハワイ

  へ飛び立ったことを思い出しているのかも

  …。

 

   「海くん、もうじきあの飛行機が飛び立つ

  ところが見られるからね」でも、海くんは、

  「皆か゜前に立っていて、よく見えないよ」

  と不満そう。

 

   先生が、そばにあったベンチ2つで台を

  作って、海をバギーごとそれに乗せてくれ

  ました。「これなら良く見えるよ」「いいなぁ、

  海くん」と、友だちも羨ましそう。

 

    海、「やっぱり飛行機は見るもんじゃなくて、乗るもんだよなぁ。今度はいつ乗せてくれるのかな?」

    


 

                                6月24日(月)

   5月22日に、講演に行かせてもらった

  広島市立己斐中学校の皆さんが、千羽

  鶴を持って遊びに来てくれました。最初

  は先生だけで来られる予定だったのに

  生徒のみんなが、「僕も」「私も」というこ

  とになり、賑やかな訪問となりました。

   お陰で、海くんは上機嫌。  


                                6月16日(日)

 

   松江市で開かれた、「島根新婦人創立

  40周年記念集会」に招かれて、海・由美

  ・敬治の三人で参加しました。会場のホ

  ールは200人余りの参加者の熱気でム

  ンムン。

 

   会場正面で私たちを温かく迎えてくれた

  この素晴らしい飾りつけは、会員の若い

  お母さんたちが心をこめて作られたもの

  だそうです

壁際のパネルには、有事立法反対を訴える「憲法カルタ」や絵手紙がびっしり。

 

   開会挨拶をする、県本部事務局長の舟木さ

  ん。

オープニングを飾ったのは、元気一杯の「よさこいソーラン」。ビートの利いたリズムが会場に溢れます。

 

   最初は緊張気味で、目が上に上がっていた

  海も、「よさこいソーラン」にうっとりとして、こ

  んないい顔に。

 

   自分自身と新婦人との出会いから話し始め

  た由美。

 

   由美の話の間中、海はかなり表情を変化

  させます。しかめっ面をしたり、あくびをした

  り、ぐうっと顔の向きを変えたり……。これ

  は、「いいお顔」をしているところ。

230人余りの方々は、とても熱心に由美の話を聞いて下さいました。

 

 講演終了後、小さなお友だちが海にかわいい花と特製のネックレスをプレゼント

してくれました。これはミッキーとミニーを交互にあしらったもので(写真右)、会員

のお母さんが1人1個ずつ手分けして作ったものを、つなぎ合わせてあります。そ

のため、ミニーのリボンが皆少しずつ違っています。「今度ディズニーランドへ行く

ときには、絶対首に掛けさせてやりたい!」夫婦してそう思いました。

 

   「海くん、いいお話しをありがとう」と、声を掛

  けられながら退場します。ところが、会場の出

  口のところで意外な人物から呼び止められま

  した。

 

   彼の名は野崎心(しん)さん。4年前、広島

  大学学校教育学部の3人組「国道2号線」の

  1人として、海にかかわってくれました(彼ら

  が作ってくれた「ハッピバースデー、海くん」

  という歌は、私たちの宝です)。

   彼は大学卒業後、医療系の専門学校に入

  り直して作業療法士の資格を取り、国立松江

  病院でこの4月から働いていたのです。

 

   「海くんと一緒に、記念写真を撮らせてもら

  ってもいいでしょうか」、「どうぞどうぞ」という

  わけで、ど真ん中でふんぞり返って写真にお

  さまる海。

 

   引き上げてきた控え室には、もっと詳しい話

  を聞きたいという人や、保育の係りだったため

  話が聞けなかった人が待っておられました。

   皆さん、いろいろお世話になりました。

 


                                6月11日(火)

 

   養護学校の給食はとても豪華。海も

  スクーリングに行ったときには、この給

  食をとても楽しみにしています。この日

  のメニューは「ごはん、ポテトコロッケ、

  キャベツトマト、澄まし汁、冷凍みかん

  牛乳」で、いつもと比べると、ちょっと

  控えめ。

 

   これをミキサーでドロドロ状態にした

  ものが、海用スペシャルランチ。

いつものように、お母さんにチューブを入れてもらって、担任の元田先生に食べさせてもらいます。

 


 

                                6月2日(日)

   真夏のような太陽が照りつけるもと、海が

  通う黒瀬養護学校の運動会が開かれまし

  た。入場行進のために入場門に集合した

  児童・生徒の皆さん。

   2つのチームに分かれて、得点を競いま

  す。

 

バギーを担任の先生に押してもらって、おお威張りで入場する海。

オープニング・セレモニーのために、全員整列。右は挨拶する校長先生。

 

   「海くんも、準備運動をしっかりしようね。」

  傘で日陰を作ってもらって、余裕しゃくしゃく

  の海。

 

   見ている方も力が入る綱引き。海は、自分

  の属する「ランランチーム」の応援係り。もう

  もうと揚がる砂煙。「海の目は大丈夫?」と、

  ついつい思ってしまいます。

障害物競走での海の活躍をご覧下さい。

 スタート直前の海。自分の名前をアナウンスされて、

張り切っています。

 第一関門はセミ取り。ロープにぶら下がったセミを網

で取って、ゴールに入れます。

 次は平均台。2つの平均台をバギーの幅に合わせて

おいて、先生方が用心深く押していきます。

 皆はこのマットの上で前転するのですが、海はその

かわりにポーズ。張り切りすぎてサングラスが…。

 最後は蟹つり。担任の元田先生に手伝ってもらって

1匹ゲット。

 無事ゴールして、ほっと一息ついているところです。

 

   余りの暑さに、海の体調を心配した先生が

  ベッドを運んできてくださいました。しかし、海

  はベッドのお世話にならず、頑張り通しまし

  た。

 

 浮き輪うばいゲームに整列したランランチーム。 海も浮き輪を1つゲット。

 

   海の最後の出番は応援合戦。パンダの帽

  子をかぶって、太鼓に合わせて応援しました。

  この1日で、海は真っ黒け。

次の3枚は、昼休憩のときに撮ったスナップです。

   海のクラスメイトは自力歩行可能な人ばかり

  です。そのため、教室には海が寝て休憩でき

  る場所がありませんでした。そのため、特別

  予算を組んで、寝台を作ってくれました。休憩

  だけでなく、オムツもこの上で交換するため、

  カーテンで仕切れるようになっています。

 

   給食室に新たに設置された流しと、食器洗い

  乾燥機。海は、皆と同じ給食をミキサーで細か

  く砕いて摂ります。食事後はこの流しでミキサ

  ーをざっと洗い、食器洗い乾燥機で仕上げま

  す。

 


 

                               6月1日(土)

   新年度となり、シャンプー隊(広島国際大・看護

  学科)もおおきくリフレッシュ。そして、この日初め

  て新1年生(男子2人、女子3人)が参加してくれ

  ました。皆さん、これからもよろしくね。

 

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