航 空 会 社 と の 交 渉

 

 海と旅する上で、一番ネックになるのは航空運賃。国内では身障者割引が

あり、介護者も一名は25%引きである。それなのに、海外は割引が一切無い

どころか、規制がとても多い。診断書、同意書、座席も一切リクライニングはだ

めだとか、寝かせていくためには3席分の費用を払えだの…。まるで、障害者

が海外に出かけることを邪魔しているみたい。

 前回も空席が山ほどあったにもかかわらず、海のために3席分の費用を支

払った。だから今回の大きな課題は、空席が有る場合1席分の費用で行ける

よう、最後まで諦めず交渉することである。

 障害者で、海のように医療器具を持ち込んだり、機内食に特別な手配を要す

る場合、プライオリティーゲストセンターという部署を通す。今回も、何とか空席

があれば障害者が当たり前に旅を楽しむためにも、費用を検討してほしいとお

願いした。しかし、「心情は分かるけど、座席は3せきぶん購入してもらう以外

方法は無い」と、冷たいお返事。しかも、夏休みとあって完全に満席状態だと

おっしゃる。

 それに、航空運賃にはいろんな設定があって、同じホノルル行きのチケット

にしても、購入の期日によっては、同じ出発日でも3万の違いがあるのには驚

いた。しかも、乗客の少ない時期の金額とピーク時の金額には、3倍近い差が

あるとのこと。海との旅行計画は、彼の体調によっていつキャンセルが発生す

るか分からないので、一番リスクの低い出発当日発券までキャンセル料のか

からないものにしなければならないのもつらいところ。でも、今回はそれが幸い

した。

  関空の発券所で

 粘り強く交渉する。

 関空でチケット購入時、空席を聞くと30席あるという。だめ元で、「横着して

寝転んで行くわけではないのだから、何とか1席分の費用で行けませんか。」

応対してくれた人が物分りのよい人だったのが幸いし、「了解いたしました」と、

耳を疑うようなお返事がもらえ、思わず頭の中で電卓を取り出す海ママです。

 でも、帰りの便の空席状況は14日後なので、多分もう1席分は購入してもら

うことにうなるだろうとのこと。まあ、帰るときは帰るとき。海君の不思議パワー

に祈るだけ。何はともあれ、諦めちゃだめということが実証された、有意義な航

空運賃交渉でした。

 ちなみに、帰りも当日10席の空席があり、海は1席分の費用で3席用意して

もらい、横になったまま快適な空の旅を楽しんだのでありました。

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