第3話 飛行機内で使う医療器具でも一苦労

 機内への医療具持込には厳しい制限があります。交流電源が使えないので、バッテリー

使用の物を用意します。人工呼吸器や酸素を使っている人は、バッテリーの予備を準備す

るなど大変ですが、海が必要とする吸引機や吸入器などは、機種さえ事前に申告すればこ

れまで何の問題もありませんでした。しかし今回デルタは、バッテリー使用の日本製医療器

械の持ち込みはできないと回答してきました。何が問題を聞いても、確かな返答は得られま

せんでした。結局バッテリーを使わない乾電池式の吸入器や、手動式の吸引機を新たに購

入することに。それにしても医療機器は年々コンパクト・高性能になっており、特に電池使用

のオムロン吸入器は手のひらサイズ。これまでには考えられないような吸入器で、これを使

えばどこでも簡単に吸入ができます。テレビで、歌舞伎役者の中村勘三郎が喘息発作のた

めに舞台直前まで吸入する場面ありましたが、このコンパクト吸入器を使っていました。こ

れで準備万端、文句はあるまい!

 海は日に3回痙攣止め他数種類の散薬を胃ろうから注入しています。機内へは1日分の

内服薬、液体状の痙攣止めシロップは100m以内の容器に入れ、サイズ指定のジプロック

に入れます。日に2回飲むエンシュア(人工栄養)は250ミリのため機内持ち込みはできま

せん(じゃ何食べるの?)。そして旅行日数分の内服薬はスーツケースに入れて預けます。

ところが、またまた問題発生。特にアメリカへの渡航では、“白い薬”はどんな理由であれと

んだトラブルに巻き込まれることがあるらしく(怪しい薬と見なされる?)、英文の説明書を提

出してくれとのこと。これまたあわてて英文でのお薬証明書を主治医にお願いすることに。

急なお願いにも関わらず、1週間後英文の証明書が主治医より届き、ハワイが日に日に近

づいていることを実感します。海の部屋ではハワイアンが流れ、枕元にはダイアモンドヘッド

の写真を飾り、だんだんハワイモードに切り替わって行きました。3月3日〜11日までの旅

程で、早くも1月の末。2月3日からはキャンセル料も発生する時期になっていました。

 一方、空港からの移動手段や車椅子で出入り可能なレストランの手配、ホテルでのプー

ル使用(今回のハワイプリンスワイキキホテルにはプールにリフトがついていた)などで、ホ

テルのコンシェルジュはとても親切に、日本語対応のツールを使って相談に乗ってくれまし

た。以前お世話になった友人との再会準備なども着々と進み、インフルエンザにかからぬよ

う早めの予防注射を家族みんなでうけるなどなど、いろんな旅行準備は順調に進みつつあっ

たのです。

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