出発2日前、広島市北部で未曾有の土砂災害が発生した。

海ママが属する登山愛好者グループ”やまぼうし”の会員の

中にも被災された方が出た。しかし、半年以上前から綿密

な準備を重ねてきた旅行であったので、思いを広島に残し

ながらも旅立つことにした。旅行中海はいつものように、わ

かば療育園のショートステイでお世話になった。

8月22日(金)

関西国際空港アムステルダム

今回の旅行は往復、KLMの直行便を利用します。乗り換えのための手間と時間

は省けますが、広島から関空は遠い(特に新大阪から先)!写真左はチェックイン

の列に並ぶ海ママ(左端)。右は、離陸2時間後に出された機内食。気分はもうオラ

ンダへ。

 

12時間後、アムステルダムのスキポール空港に到着。日本と同様、今にも降り出しそうな

曇り空(結局、すっきり晴れたのは最終日のみ)。入国審査が始まると、「いよいよ来た」と

ハイテンションに。現地時間は午後4時(時差は−7時間)。後はホテルに直行して寝るだけ。

 


8月23日(土)

アムステルダム(午前市内観光・午後自由行動)

未明に降った雨が上がり、素晴らしい虹が…。ツアー中は、この専用バスで移動

します。珍しいことに、女性のドライバーさんでした。

 

まずやって来たのはファン・ゴッホ美術館。館内は、右のような撮影スポット以外は

撮影禁止でした。

 

続いて、ゴッホ美術館から歩いて5分ほどの国立美術館へ。レンブラントの

”夜警”の迫力に圧倒されました。

 

午前中の美術館めぐりが終わると、午後は自由行動。そして、私たちのお目当ては

ただ1つ。それは”アンネの家”。アンネ・フランク一家を含む8人のユダヤ人がナチ

スの追及を逃れて2年間隠れ住んだ、その”家”(写真右)。

 

待ち時間の長さは覚悟していました(行列は途中で90°折れて、奥の樹の所まで)。

私たちは、「ホテルの夕食をキャンセルしてでも、必ず入館する」と、腹をくくっていま

した。しかし、意外とスピーディに前に進み、70分後には入館でき、ホテルの夕食に

は余裕で間に合いました。

残念ながら館内は一切撮影禁止でしたが、この2つの目でしっかりと”本物”を

確認してきました。隠れ家入り口の本棚も、夜しか使えなかったトイレも、そして

あの日記も。


8月24日(日)

アムステルダムハーグアントワープ(ここからベルギー)ブルージュ

今度の旅行ほど名画を堪能できた旅はありません。この日はハーグにある

マウリッツハウス美術館ヘ。同美術館は大規模な改修工事を終えたばかり。

 

フェルメールの”真珠の耳飾の少女”も、レンブラントの出世作”テュルプ博士の解剖学講義”も

好きなだけ見られます(撮影もOK)。海ママは、”真珠の…”が東京に来たとき見に行ったのです

が、絵の側に警備員がついていて、決して立ち止まらせなかったそうです。

 

ハーグを出たバスはフリーウェイをひた走り、気づかないうちに国境を越えて

ベルギーへ。到着したアントワープではビール祭(?)が開かれていてバスが進

入禁止となり、途中で降りて歩くことに…。左の写真奥にそびえているのが、

”フランダースの犬”の最後の舞台となったノートルダム大聖堂。

大聖堂の内部は荘厳な雰囲気だが、キリスト教徒でない我が身の居心地の悪さ

を感じるのは、私(海パパ)だけ?

 

この日の最終目的地は、中世のたたずまいを残す古都ブルージュ。

旧市街にあるホテルで夕食をすませた後、夜の街に。石畳の道を歩

いて行き着いたところがマルクト広場。幻想的にライトアップされてい

るのは、1300年ごろ建設されたといわれる鐘楼。

 

広場脇のカフェで、鐘楼を見ながら飲むベルギービールの味は格別。

 


8月25日(月)

ブルージュゲントブリュッセル

翌朝、ブルージュを発つ前の短い時間を使って旧市街観光。

やって来たのはベギン会修道院。

 

  ブルージュを出た後は一路ブリュッセルを目指し

 ますが、途中立ち寄ったのは”中世の都”ゲント。

  ゲントは当時、毛織物業でブルージュと繁栄を競

 い合った町で、写真は繊維ホールの鐘楼。この日

 は小雨交じりの曇天で肌寒く、夏服しか持っていな

 かった海ママは土産物店に飛び込んで、GENTの

 ロゴが入ったフード付きフリースを買い求めました。

 海ママ曰く、「あやうく死ぬところだった」。

 


8月26日(火)

ブリュッセル(終日自由行動)

この日は10時ころまで団体行動、それ以降は全くの自由行動です。これは皆といった

小便小僧(恥ずかしながら、小便小僧はここブリュッセルが発祥の地だとは知りません

でした)。

 

  一行の中に、蚤の市に行くというご夫婦がいたので、

 連れて行ってもらいました。しかし、この日はあいにく

 の雨。着いたころには本降りとなり、早々に店じまい。

  ざっと見て回った印象としては、決して安くない。交

 渉上手を自認する海ママが値切っても、全く相手にし

 てもらえません。

 

  蚤の市からの帰り道で、ふと見かけた肉屋さん。四角

 いトレーの中のミンチ(もちろん生)をレタスと一緒にパン

 にはさみ、ケチャップをだばだばかけて、次々に客に渡

 しています。海ママがどうやって食べるのか聞いてみる

 と、焼いたりせずにそのまま食べるのだそう。とても同じ

 ものを買って食べてみる勇気はありませんでした。

 

”雨がかからない所”ということでやって来たのは、1847年完成の世界最古の

アーケード。両側のお店はどこも高級店っぽくて、端まで歩いていって帰ってき

ました(写真左)。

最後にやって来たのは、”世界で最も美しい広場”との呼び声高い

グランプラス。正面の建物は、ブリュッセル市庁舎。

 

「グランプラスに面したカフェで、ムール貝とベルギービールを楽しみたい!」

という海ママの願いが実現しました。

 

ギャルソンが鮮やかな手つきでついでくれたビールの味は格別!

 


8月27日(水)

ブリュッセルキンデルダイク(ここからオランダ)アムステルダム

 

  現地滞在の最終日。朝早くブリュッセルを発ち、14:55

 スキポール発関空行きの直行便に搭乗します。その途中

 最後の観光として立ち寄ったのが、キンデルダイクの風車

 軍。

 

間近で見る風車は威風堂々。風車は単なる動力源ではなく、生活空間でもあったことが

内部に入ってみて初めて分かりました(写真右)。

 

はしごのように急な階段を登って、風車の上部へ向かいます。最上部には、風車の回転を

水平方向の回転に変える巨大な歯車が……。

 

  風車群の側を流れる運河は途中で水面が高

 くなっていて、らせん式の揚水機が勢いよく回転

 し、水をくみ上げていました。

 

スキポール空港に到着。さよならオランダ。早く関空の居酒屋で一杯やりたい!

 

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